0人が本棚に入れています
本棚に追加
「結城さん。なゆたちゃんの口、開けてみて下さい」
「口?」
洋子ちゃんに言われて、なゆたの口の中に小指の先端を差し込む。
あがあがとされるがままのなゆた。
少し嬉しそうなのは何故なんだ。
「それです!」
「それ?」
「はい、それです」
「どれ?」
「口です」
「口?」
だから。
口はわかったっての。
口の何が珍しいのさ。
はっきり言ってくれ。
「口、普通開かないんですよ」
「え!?」
言われて見ると確かに、ヒナギクの口はいくら指を押し付けられても開かない。
最初のコメントを投稿しよう!