ミス・インディペンデント①

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「こらー!!!!海!!! 何で泣かした」 ブスくれた海が私を睨み付ける。海がこんな顔をしてるときは自分もすぐ泣き出す前兆だ。 「だって、慎と拓、ボクが描いた絵を二人で破いちゃったんだ」 涙が零れる前に私はポケットから飴を出す。 サムシング・スイーツ。 お母さんはそう言って私たちの口に時々何かを放り込んだ。長女の私には同じ特権が与えられていた。 海の口に飴を入れてやる。飴の時もあったし、チョコレートの時もあったし、グミの時もあったし、ハイチュウの時もあったけど。 そう。ジェリービーンズが一番弟たちの涙を止めてくれた。 もちろん私の涙も。 .
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