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金木犀の香りに背を向けて出社した。
仕事、はまあいつもだいたい上々。
上々になるまでは大変だったけど、私が銀行勤めをしたかった理由とは程遠い業務につかされている。
子どもの頃から憧れていたのは窓口。
銀行の窓口でお金を数えたかった。
バーっと諭吉を扇みたいに広げてみたかった。んで数えたかった。
お母さんの用事で銀行に一緒に行ったときに、
お金がお金じゃないみたい!
って幼いながらに感動したんだよ。
感動のツボおかしいって言われちゃったらひとたまりもないけどね。
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