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「松田さん13時の金消契約のお客様がもういらっしゃってますけど?」
営業事務の吉川さんからそう声をかけられた。彼女は書類のチェックに一番抜かりのない社員で、私はその几帳面さにいつも助けられてる。
「もう。まあ、いけるか。応接にご案内してくれる?」
「はい」
私は口の中に入っていたお昼ご飯を残らず咀嚼してから歯を磨いた。
なぜか、憧れのお金を数える仕事ではなく、お金を貸す仕事をしている。
マンションの住宅ローン担当の銀行の営業。
それが私の仕事だ。
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