ディスタンス-2

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私が事細かに話し終わると二人とも首を捻り始めた。 「美春ちん、滝川の相手の女の顔見てないの?」 「はい。だって、あんあん言ってるとこの扉なんでひらけませんよ」 「そこは、彼女としては行っといていい所だから。女に、唾はいても、罵ってもまあいいよね」 「夏姫、そこは唾以外は全部賛成。つか、フツー浮気現場ってさ。玄関の時点で異変があるわけよ。 だから私は美春が部屋に入ったとこに違和感。 美春、相手の女の靴どんな靴だった?」 「くつ? 靴ですか?」 靴。 靴 靴。 滝川くんの、投げ出した靴しかなかった。 ……。 …………。 ………………………………。 .
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