ディスタンス-2

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どう考えても中から女の人の声がする。 しかも……。 多分喘ぎ声。 うどんの材料が入っているレジ袋が、力を無くした私の腕から滑り落ちた。 どさりとそれが音を立てると扉の内側で人が動く気配がして、私は何も考えずに、玄関に走って、滝川くんの部屋から逃げた。 飛び出すように道路に出ると一目散に、駆け出した。 「みはるー!!」 後ろで滝川くんが私を呼ぶ声がしたけど、振り返りもせず、ちからいっぱい走り続けた。 .
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