チューイング①

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「ぱっとひらめいたみたいに目の前が明るくなって一緒にいるとなんか楽しい。だけじゃダメなんですかね」 「うん。佐野君くらいの時は僕もそうだったかもね。でもまあ、お菓子と一緒かな」 「お菓子と一緒?」 「たとえば、レシピをちゃんと知っているのと、そうでないのとでは、作る時に試行錯誤する回数が違うでしょ?  今の僕は夏姫ちゃんとの時間を美味しく過ごしたいから、色々話をするんだろうね」 佐野君はピタッと動きを止めて顔を赤くした。 「オーナーなんか、カッコいいっす」 「かっこよくはないよ。一度大きく失敗してるんだから」 .
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