チューイング③

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ママは、写真を一枚私の目の前に置いてから、私の隣に座った。 古い写真には、今の私よりも、もっと若そうなママと……。 これが私の父親なのかな? カメラに向かって微笑みかけている男性が、並んで写っていた。 「それが、夏姫のお父さん。結婚とか何も約束してなかった。病気でね、亡くなったの」 「死んでるなら死んでるって言ってくれたら良かったのに」 「ママ、夏姫に、言えない事があって、だから、黙ってた」 .
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