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「安藤さん、あのね……」
「何?」
「やっぱいいや。何でもない」
何かを飲み込んだ夏姫ちゃんの頬に落ちた雪を指でぬぐった。
「夏姫ちゃん。僕の祖父母はね、両方とも、米寿は余裕か、惜しい! あと少しって感じだったよ」
「うん」
「年の差の分は仕方ないけど、相当に長生きする予定だから」
夏姫ちゃんは僕の手をぎゅっと握りしめた。
やっぱそういう事を言いたかったんだろうな。と確信した。
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