チューイング③

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「私はこの通りずっと独り身で通してきたし、織江も似たようなもんだったからね。この子の晴れ姿くらいは拝みたかったのさ」 照美さんがそう言ってから、もう一本の煙草をとりだそうとすると、煙草の箱をサッと夏姫ちゃんが取り上げた。 「照美ばあちゃん、お医者さんから、タバコ止められてるんでしょ?」 「あー。あのジジイの言う事はただの口癖さ。まあ、今日は控えようか」 照美さんはニタリと笑った。 .
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