チューイング③

3/32

39人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「私はこの通りずっと独り身で通してきたし、織江も似たようなもんだったからね。この子の晴れ姿くらいは拝みたかったのさ」 照美さんがそう言ってから、もう一本の煙草をとりだそうとすると、煙草の箱をサッと夏姫ちゃんが取り上げた。 「照美ばあちゃん、お医者さんから、タバコ止められてるんでしょ?」 「あー。あのジジイの言う事はただの口癖さ。まあ、今日は控えようか」 照美さんはニタリと笑った。 .
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加