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「咲也、この前言っていた悩み。この人なら解消できるかも」
「え? マジですか?」
「冬子はね、私と違って正真正銘のお嬢様育ちだから、お茶にお花に、お琴に、日舞まで師範クラス。おまけに間違いなく着付けもできるから、適任よ」
2人が何を話してるのかさっぱりで、目をパチパチさせる。
「ねえ、冬子、離婚したばかりだし、仕事もする予定ないでしょ? ちょっと咲也のために一肌脱いであげてよ」
「貴和子さん、一肌脱ぐって、いったい何をするの?」
私が貴和子さんの勢いと興奮にたじろいでいると、真剣な表情の咲也が、一歩こちらに踏み出して来た。
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