イフ ウィンター カムズ①

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柊(ヒイラギ)の葉を眺めながらもうすぐ、節分が近い事に気づいた。 予定日まで、あと2週間。 妊娠初期は信じられない気持ちでいっぱいだった。 前の結婚で、私は義母にひそかに『産まない機械』と呼ばれていたのに。 離婚したのは、それだけが理由ではなかったけど、辛い思い出の一つ。 「あれ? 冬子さん、来てたんですか?」 私がやまぶき邸の庭に居る気配を感じたのか、玄関から、美春ちゃんが出てきた。 「ええ。今来たの、ごめんなさい。いつも勝手に来てしまって」 「全然大丈夫です。寒いですよね。みんな居るんで、お茶でもどうですか?」 「是非いただくわ。嬉しい」 .
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