序章 三つ子の

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序章 三つ子の

 昔々ある所に、三つ子の男の子の兄弟がいました。  彼らが十五歳の時に母親は病気で寝込んでしまいました。  一番上の兄は『仙人に会いに行って、母さんの病気が良くなる方法を聞いて来る』と言い出かけました。  そして彼が仙人界に辿り着くと仙人は 『こんな所に来れるとは、お前は神の子か何かではないのか?』 と言い彼が人間界に帰りたいと言っても、帰してはくれませんでした。  一ヶ月経っても帰って来ない兄を心配した一番下の弟は『探しに行って来る』と言って家を飛び出して行きました。  でも彼は兄を捜している内に迷子になり、しゃがんで泣きだしてしまいました。  いつまで経っても、帰って来ない兄弟を心配しつつも、母を残して家を出る訳にはいかないと真ん中の男の子は思っていたのですが、母親の顔色が一層悪くなったのを見て居ても立っても居られなくなり、仙人に会うため家を飛び出しました。  彼が小高い丘に差し掛かると、そこに悪魔が立っており、丘の上から町を見下ろしていました。  彼は藁をも縋る思いで悪魔に、母親を助けてくれないかと声をかけましたが、悪魔は嫌だと断った。
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