(恋愛生活2日目)

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 俺よりも若くてほっそりした体形に、細長い脚はとてもスタイルを良く見せていた。見た目の勝負は、どうあがいても太刀打ちできない。  そんなことは分かっているというのに、改めて自分の身なりを確認してみた。  全体的にくたびれた感を、これでもかと醸し出している体形は、どう転んでも無理な話だ。 「肌を出す、その時期の前に、今からダイエット!」  なぁんてテレビのCMじゃないが、今からやっても遅いだろう……。  地の底に落ちるくらいの後悔しながら、への字口にして、隠れるようにイケてる奴を観察した。 「ねえねぇ、ちょっと。こっち向いてよ、ねぇ」  奴の声を完全に無視して、彼女は窓に背を向けて、完全に無視を決め込んでいる。  これだけ立派なお屋敷だから防音設備が整っていて、外の音がまったく聞こえないんじゃないだろうか。  それでもヤツは諦めず、猫撫で声で彼女に話しかけまくる。  その姿はテレビでよく見る、チャラい芸能人みたいだ。
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