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ウチのお客さんで、山下さんって子連れでちょくちょく来ていたお母さんがいた。旦那さんと離婚をして、一人息子のヨシユキ君を女手一つで必死に育てている。でも、その必死さが逆に裏目にでて、ヨシユキ君を苦しめていた。また、それを山下さんも悩んでいたのだった。
「ヨシユキ!ちゃんと食べないと大きくなれないわよ!…もう、そんなに零して!…よく噛んで食べなさい!…」
山下さんはその頃キツイ目をしていた。『父親がいないから…』と言われることを非常におそれているようだった…
「お母さん、今日少し時間ありますか?」
先生にしろ私にしろ、山下さん親子を何とかしたかった。ヨシユキ君は小学三年生。笑顔のかわいい素直なおとなしい子であった。でも、多少内気な面が気になる子でもあった。
それを見越し、先生はその日あることを山下さん親子のために用意していた。
「え?時間ですか。大丈夫ですけど…」
「(^_^)」←先生
「(^O^)」←わたし
「(¨;)」「(゜゜)」←お母さん&ヨシユキ君
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