居酒屋まるの海水浴

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「いらっしゃい、青野さんも。どうぞ、お入りください。」 今夜は、いつもの常連さんだけ。 珠美さん、木戸、ミハイさん。 だから、遠慮はいらない。 「珠ちゅわーん、今日もビューテホーだね!」 「おだてても何も出ないわよ。」 「んんー、このクールさも君の魅力ダヨ!OK、OK。」 ちょっとは落ち着け、赤井さん。 「あれー?赤も青も、ここはなるべく来ないんじゃなかったっけ?」 一足先に隣に座った青野さんに、木戸が尋ねた。 そう、この二人は、琴子さんに紹介されたんだが。 人間社会で生活する人間じゃないものを相手に、戸籍を始めとする様々なものを偽造するのを生業にしている。 もちろん、料金が発生するわけで、それをごねるような客もいるらしく、それがこの店に来ないようここにはあまり顔を出さないことになっていた。
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