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「もしもし・・・。
先程お邪魔した北谷の娘です。
野田さん、今お手隙でしょうか?」
勝の苗字は“野田”だ。
高校時代によく耳にしていたはずの苗字も、今となってはとても新鮮に感じる。
「あら・・・、本日はご来店ありがとうございました。
少々お待ちくださいね。」
受話口から保留音が聞こえてくる。
私は緊張しながらも、この後聞こえてくるであろう勝の声を思い出していた。
低くて優しいあの声に、何度“都那”という名前を呼んでもらった事か・・・。
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