第7章

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* 「ほんとーに、ごめんなさいっ!」 ろくに会話も交わしたことのない、クラス一のアイドルに目の前で深々と頭を下げられ、私はどうしていいか分からず、ただ戸惑って彼女の綺麗な髪の毛が揺れるのを見ていた。 ある日の放課後、私は篠田さんに呼び出されたかと思うと、中庭に連れてこられ、そのまま彼女は私に向かって頭を下げたのだった。 「えっ、なに、どうしたの篠田さん?」 戸惑う私に、篠田さんは顔を上げると、申し訳なさそうに口を開いた。 「あの、美雪ちゃんと、梨々子ちゃんのこと…。柚子ちゃんに嫌がらせしてたの、ふたりだったんだよね。」 「美雪」と「梨々子」というのは、田辺さんと佐々木さんの下の名前だ。 「私、全然知らなくて。 本当に私、そういうのに疎いっていうか、ぼーっとしてるっていうか。 自分の友達なのに、全然気づけなくて。 でも、言われたの、安藤君に。」 そこで紫苑の名前が出てきて、だんだん話の全貌が見えてくる。 「私、安藤君に告白したんだけど、フラれちゃったの。その時に、もっと自分の友達を選んだほうがいいよって言われて。そこで初めて2人のこと、気づいて。」 「紫苑が、そんなこと…」 「うん。 知らなかったからって、済まされることじゃないと思うの。ちゃんと自分の友達のことなんだから、知っておくべきだった。友達が間違ってたら、正してあげるべきだった。 だから、ごめんね、柚子ちゃん。」 「いや、いいよ、そんな。 篠田さんが謝ることじゃないって…。」
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