第1章

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「てゆうか、なんでここにいんの!?学校は?」 再会の感動と、初恋の人を前にしたドキドキを落ち着かせようと、根本的なことを尋ねた。 「学校帰りだよ。」 「え?だってその格好…」 学校帰りなら、制服のはず。そう思い、派手なパーカーを指差しながら指摘するも、 「へへーん!うちの高校、制服ないんだぜ!」 「ええっ?そうなの?」 「そっ!いーだろー!」 「えーー、制服あった方がいいよぉ。」 「そうかなー?毎日同じ服で、つまんねーじゃん。」 「あー、まあ楓にはあってるかもね。オシャレだし。」 「へへっ、そういうこと!」 楓は昔っからオシャレ大好きさんだった。 ーと言っても、着ている服はお母さんが選らんだ服で大抵紫苑とお揃いまたは色違いなんだけど。 正統派に着こなしてた紫苑と違い、なんとなく楓が着るとオシャレに見えたんだよね、不思議と。 多分色選びとか、組み合わせとか、ちょっとしたアレンジとかがうまかったんだと思う。 少なくとも今目の前の楓を見る限り、相当のオシャレさんに成長したことは間違いなさそうだ。 …ちょっとチャラいけどね。 でも制服姿もちょっと見て見たかったな~…。 紫苑、似合ってたし。 なんて、絶対言ってやらないけど。 楓が着たら、また違う感じなんだろうな~。 「ねっ、柚子。この後用事ある?」 「へ?帰るだけだよ。」 不意に聞かれ、キョトンと答える。
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