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「ううん、ごめんね。
私、二人にはちゃんと言ってきたから。
他の人を傷つけて私のこと守るくらいなら、ほっといてくれていいからって。
それから本当は、少し二人に馴染めなくて窮屈してたことも。伝えたら怒っちゃったけど。」
「ええっ?」
ポワンとした雰囲気の篠田さんからそんな言葉が出てきて、思わずぎょっとした。
篠田さん、そんなこと言ったんだ…?
そりゃああの二人、「はいそうですか」じゃ済まないだろうな…
「だから私、友達いなくなっちゃった。えへへ…。」
「ええーっ!!」
こともなげに、柔らかい笑顔でそんな事を言う篠田さんには、正直かなりの衝撃を受けた。。
篠田さんて、案外すごい子かも…。
天然だけど、ものすごい正義感が強いっていうか。生真面目っていうか…。
私、この子結構好きかも。
「じゃあ私でよかったら、友達になるよ。」
「ほんと?わああ、嬉しい。」
花が咲きそうな笑顔でそんな風に喜ばれると、なんだか照れる。
「あ、それから私、安藤君のことは吹っ切れてるから。柚子ちゃん、気兼ねなく安藤君と仲良くしていいからね!」
「あはは…、うん、まあただの幼馴染だけどね。」
変なところで真面目な篠田さんの発言に笑ってしまった。
こうしてひとつ行事を乗り越え、新しい友達ができた私は、一学期最後の一大イベントである期末試験を迎えようとしていた。
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