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…ん。ていうか、
「矢吹さん」て。
何その、よそよそしさ。
昔は「柚子」って呼んでたくせに。急に大人ぶっちゃってさ。
まぁ、実際見た目はかなり大人だけど。
昔から綺麗な顔立ちだったけど、成長したら、普通に美形…。
…なんか負けた気分。
・・・
小学校からの帰り道。
方向が同じ私達は、三人で仲良く並んで集団下校。
「柚子は、世界一可愛いよ!」
「えへへっ、本当?楓。」
「ほんとだよぉ!な、紫苑!」
「……。何言ってんの。世界一な訳ないじゃん。アメリカ人とかイギリス人とかの方が、絶対美人じゃん。」
「何言ってんだよー。僕にとっては柚子が一番なの!柚子、気にしなくていいからね!」
「…うん。」
・・・
なんか嫌なこと思い出した…。
…そうだよ、紫苑は昔っからこういう奴だった。
優しい楓とは正反対。
いつも意地悪ばっかり言われたな。
ふぅ…。
にしても、どうしてこんなこと、今まですっかり忘れてたんだろう。
多分思い出すの、小学校以来だよな…。
あんなにいつも一緒にいたのに。
いつの間にか電車が地元の最寄り駅についていた。混み合う車内からなんとか脱出する。
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