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『from.Xanadu運営委員会
おめでとうございます!
本日をもちましてあなたに、主人公権限が与えられることになりました。
主人公権限は様々な特典が得られる特別な権限。これにより更なる快適なXanaduライフをお約束致します。
どうぞ、今後ともXanaduの世界をお楽しみ下さい!
P.S. 添付させていただいたファイルは、本日中に開封して下さい。』
ユゥテンは、そのメッセージの内容を、二度三度と頭の中で反芻し、素っ頓狂な、抜けた声で「マジで?」と呟いた。
イグザナドゥ(以後Xanadu)の世界は、全部で7つのサーバーが存在しているが、プレイヤーはゲームに参加した段階でサーバーが自動的に決定され、それぞれのサーバーを行き来することはできない。
そして、運営はそれぞれのサーバーに1人ずつ、完全にランダムに主人公権限というものが与えられたプレイヤーを設定する。
主人公権限がどのようなものなのか?詳しいことは主人公権限をもつものとその周囲の人間しかわからない。
この世界にはチャットという機能はないが、それでもネットで言いふらしたり、ゲーム外でリアルの交友関係で広まると思うのだが、なぜか、どんなルートでも広まらず(運営が実力行使という名の規制、圧力をかけているという説がある)、主人公権限というものかあるということしかわかっていないのである。
しかし、選ばれる確率は各サーバーのプレイヤー人数を考えると、普通は当たらないと思っていたユゥテンにとってこのメッセージは、瓢箪から棚ぼたであった。
動揺と興奮で震える手を制しながら、彼は添付ファイルの解凍を始めた。
解凍されたファイルはプレゼントボックスのイメージで現れ、プレイヤーはそのリボンを解くと、箱が開き、中身が現れるのだが…。
「なにこれ?・・・水?」
その場でふよふよと浮いている水の玉。ユゥテンは恐る恐る指でつついてみると、ぷよぷよとした弾力がある。試しに少し力を加えてみるとちゅるんと指が水の中に吸い込まれた。
「ひゃうん!!」
「うわっ!?」
突然声がして思わず手を引っ込めると、その水の玉が、ウネウネと形を変えて、人魚のような形の少女になった。
「貴方!眠っている乙女の身体に指を突っ込むなんて、破廉恥過ぎますわよ!」
「しゃ…喋ったぁぁ!!?」
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