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あの後、思いっきり尻尾でビンタをくらい、ひりひりする(割にはヒンヤリしているが)頬を押さえながら、ユゥテンはその水の少女、エリダヌス=サダルスゥドの話を復唱した。
「じゃあ君は、運営委員会から送られきて、僕の今後の行動を監視、補佐するための特殊NPC(ノンプレイヤーキャラクター)ユニットってこと?」
「そうゆうことですわ。では改めて自己紹介させていただきますわ。
エリダヌス=サダルスゥドと申します。エリダとお呼び下さい。
貴方の名前は?」
「ユゥテンだよ。宜しくエリダ」
エリダは頷くと、一つ咳払いを行い、話を続ける。
「次は主人公権限について、説明致しますわね」
それを聞いて、ユゥテンの顔が輝いた。今まで知ることもなく、自分には縁のない話だと思っていた主人公権限が目の前に飛び込んできて、ハイになっていたのだろう。
その反応に満足そうな、微笑ましそうな笑みを浮かべてエリダは続ける。
「まず、主人公権限には、多くの特典がありますわ。
まず、レベル上限の解放ですわね。従来のプレイヤーは、レベルは100までしか上げられないのですけど、主人公権限を手にしたプレイヤーは200まで上げることができるようになりますのよ。
次に、体力回復を担う宿泊施設の利用料金が免除されますわ。これは、パーティメンバー全員分を適用できますわ。みんなタダで回復させてもらえるなんて素敵ですわね。
また、移動機関の利用料金も半額にできますわ。
と、ここまでは理解していただけましたかしら?」
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