第1章~選ばれしもの~

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縦に首を振るも、ユゥテンにとっては、少し物足りない感じがした。 これだけなの?という感じだ。そこまでして欲しがるほどのものでも無い。そんなことが頭をよぎったのだ。 「物足りないって顔ですわね?安心なさい。この程度のこと、主人公権限のほんの一部ですわ。主人公権限の内容は複雑で膨大。かなり概念的な内容も多いのです。今この場で説明するのはその中でも分かりやすく、すぐに確認できるものですわ。 続けますわよ?次に説明するのは、主人公権限を手にした貴方のみが使える特殊なスキルですわ 目が輝いてますわよ?分かりやすいですわね。いいえ、恥ずかしがることではありませんわ。誰だってそうですもの。 いくつかありますけれど、まず代表的なものは、AS(アクティブスキル)として《ソリッドマップ》《クレーンショット》がありますわ」 聞きなれない単語にユゥテンは早くも首を傾げた。 「順番に説明していきますわね?まぁ、プレイングマニュアルのヘルプページをちゃんと見ていればわかることですので、質問させてもらいますわ。ASは分かりますわね?」 ユゥテンは頷く。 AS。アクティブスキル。保持しているだけで常時発動している能力。また、SP(スキルポイント)を消費せずに使うことができるスキルのこともASと呼ぶことがある。 「正解ですわ。 《ソリッドマップ》とゆうのは、貴方方が普段から使っているマップ機能を拡張し、立体的に見ることが出来るようにするスキルですわ。」 試しにマップを開いてみると、なるほど、確かに周囲の森が立体的に表示されていた。葉っぱなどは透明になっており、視覚的に阻害されることはない。 「なお、《ソリッドマップ》はON/OFFの切り替えができますので、上手く活用してくださいな。 次に、《クレーンショット》というのは、視覚を拡張し、周囲の状況を俯瞰的に見ることが出来るスキルですわ。このスキルの最も大きな利点は、スキルを使用している間は時間が止まっているということですわね」 「えっ!時間が止まる!?そんなの殆どチートじゃないか!?」 「時間が止まるというのは、自分も含めてですわ。つまり、この能力は、上空から今の状況を眺めて判断するための能力ですわね。使ってみるとわかるのですが、幽体離脱に近いようですわ」 例えるならば、戦略シミュレーションの戦況確認のようなもである。
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