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「……あ、暗子ちゃんが……私だけにしてって言うから……僕……必死で答えようと……おえっ……」
女の子に蹴られて吐くのは本望であるが、しかし幼児に汚い所を見せるは僕の義に反する。
のどから胃液の酸っぱい匂いがする中、僕は唾と一緒にそれを飲み込む事でその場の危機を脱出する事に成功した。しかし、まだ気持ち悪い。タイキックって普通、みぞおちを蹴るものじゃないと思うんだ。
「ちょっとやり過ぎちゃいましたか。大丈夫ですか?」
暗子ちゃんのおっぱいをもう一度揉んだら治るよ、とは口が裂けても言えない。
「あぁ、平気さ。逆に気持ち良いくらいだよ」
満面の笑みで平気さをアピールしたが、対する暗子ちゃんは気持ち悪い物を見る目で微笑を浮かべていた。
心身ともに大ダメージをくらった僕。
「お兄ちゃん、大丈夫~?」
しかし、天使はここに存在した。
汗を流しながら腹部を抑える僕の背をさすってくれるのは白地のTシャツを着た一人の女の子、姫ちゃん。僕の妹(仮)である。
良くできた妹だ。お兄ちゃんが苦しんでいる姿を見て、いてもたってもいられなくなったのだろう。
「大丈夫だよ。姫ちゃんは優しいね」
言って、優しく髪の毛を撫でる。そして撫でる。撫で続ける。
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