妹、拾いました

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僕、隅谷明人の朝は早い。   新聞配達のお姉さんが胸を揺らしながらせっせと自転車を漕ぐ中、僕はいつもの散歩道を歩いていた。 「あぁ、今日も良い天気だ。何で雨降らないかな?」   東に見える大山の向こうからひょっこりと顔を出す太陽に元気良く挨拶した僕は「雨降りやがれ、この野郎」と叫んでみたり。   雨が降ると僕の目にいつも映るのは濡れた女性の姿と透けて見える魅惑のブラジャー先輩。それを期待して毎日お空に雨が降りますようにと願いをかけるが効果はなかった。  てるてる坊主を逆さに吊れば雨が降るとか何とか言っていたが、部屋の隅に吊っている巨大てるてる坊主君は何もしてくれない。 てるてる坊主が首吊り坊主に見えた僕としては早急に片付けたいのだが、一向に雨が降りやがらない。そこで僕はてるてる坊主をてるてる幼女にすべく、サイズを小さくして、小ぶりな胸をティッシュとゴムボールを使って再現する事に成功、やったね。 今、僕の部屋にはそのてるてる幼女が抱き枕カバーを付けて放置されているのは言うまでもない。親に見つかりでもすれば即刻捨てられそうだが。
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