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僕が朝早く歩いているのは何も変わらないいつもの散歩道だった。
近所の巨乳お姉さんが汗を首筋から胸元まで流して走っているその姿を目で追っていた僕は、ストーカー気味に後を追う。これが僕のいつもの散歩道である。
あのボインボインに揺れ動く魅惑のおっぱい様は乳バンドの無意味さをアピールしていていたが、僕としてはブルマから伸びる太腿ちゃんの方に目が行ってしまう。
しかし、今日はお姉さんを途中で見失ってしまった。あの太腿ちゃんを見られなくなったのは非常に残念な事だが、そんな事よりも僕はとんでもないものを発見してしまったのだ。それは別にエロ本とかそういう物ではなく、
「女の子?」
目の前にあったのは段ボール箱に入っている小さな女の子の姿。その段ボール箱には『誰か拾ってあげて下さい』の一言が書かれていた。
中に入っている女の子は、すやすやと寝息を立てて眠っている。
あら可愛らしいと思った僕は、寝息を立てている女の子に近づき、すーはー、と女の子の吐いた息を拝借。約五メートルの距離感だ。これ以上近づいたら法的に捕まるのではないかと思ったのだ。
「……お花さんがいっぱ~い」
幸せそうに女の子は寝言を呟いた。
心地良く窮屈な段ボール箱の中で眠る女の子は一体どんな幸せな夢を見ているのだろうか? 出来れば目を覚まして現実を見せるのだけは止めてあげたい。
「って、そんな事よりも、どうして女の子がこんな所に……あっ、そういう事か」
僕は直ぐに気づいた。育てられなくなって捨てられたんだと。これは正しく育児放棄だ。
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