第1章 出会い

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2100年。 地球に隕石が衝突した。 大きさは約一キロメートル。 地球が滅亡するには、十分な大きさだ。 しかし、地球が滅亡することは無かった。 世界人口の大半を失い、人類が持っていた陸さえもほとんど失ったが。 2110年。 隕石が衝突してからのこれまでの十年間、人類は飛躍的な変化を遂げた。 それは、過去未来の人類史の中でも、驚くべき変化だった。 それは外見こそ変わらないが、科学力、技術力、そして身体能力の進化だった。 そして、地球や他生物も変化した。 地球に残った大陸、大地は度重なる天変地異により、日本のあった場所を中心に集まりだした。 それは激突し、重なり、やがて一つの大きな大陸となった。 他生物は、隕石衝突による影響で大体が絶滅したが、残ったものは隕石や放射線などの影響により、姿形を変えた。 それはまさに、ファンタジーに出てくるモンスターのごとく。 さて、進化したと言ってもこの十年で、人口はさらに減った。 放射線による病気、進化した他の生物に喰われる、この世界に絶望し自害する。 それでも生きてきた人類だが、大陸が繋がったことから、文化の違いなどが生まれ、戦争などが起こった。 それにより、さらに人口は減り、今や大陸人口は五億を下回った。 そこで残った人類は、文化などの違いによる戦争をなくすため、新たな大陸共通語をつくった。 それは大陸全土に広がり、十年の間に人類はその言葉を使えるようになった。 さらに、各々の文化を払拭し、大陸基準の文化を新たにつくった。 さらに、進化した他生物による侵攻を防ぐため、軍隊だった者らが集められ、新たに『大陸防衛軍』が作られた。 さらに大陸が繋がったことによる国境喪失の対処のため、新たに国が五つ作られた。 大陸の中心を『東京連盟』、ここは主にアジア圏中心の人類が住んでいる。 その斜め上を『ワシントン連盟』『ロンドン連盟』、斜め下を『ブラジリア連盟』『カイロ連盟』とした。 それぞれの連盟国範囲には、東京連盟と同じく、そこに近い国にいた人類が住んでいる。 そのようにして、この十年で人類はここまでの対処をとった。 確かにまだまだ問題は山積みだが、一旦人類はこれによって落ち着きを取り戻した。 大陸防衛軍も進化した科学力の力により、他生物の侵攻をよく防いでいる。 そして今から話すのは、この先の話。 新大陸『ムー』に住む、人類の戦いの物語である。
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