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時は戻って。
東京連盟北区域にある街、アルバンにて
「おい、ワシントン連盟長から大事な連絡だってさ」
「なんだろうな」
「そんなの新種が出たんだろ?」
「あ、そうか」
そこに住む住民は、高くそびえ立つビルに付けられた大型テレビに映っている文章を見て、こんなことを話し始める。
映っていた文章は、”今日、午後7時より、ワシントン連盟長から皆様に、大事なご連絡があります。必ずご視聴ください。”というものだった。
現在の時刻は午後六時十五分。
街を歩く人は必ずそのテレビに目を向けた。
カイロ連盟館 連盟長室にて
「それで、エネルギーの件はどうなっている?」
目の前の画面に向けて話す人物がいた。
この人物は現カイロ連盟長、アモン=アブバカル。
年齢は四十三歳。
連盟長の中では最年長になる。
画面にはほっそりとした黒人が映っていた。
その男が応える。
「今のところ問題はありません。うまい具合に生成出来てます」
「そうか、ならいい」
現在、カイロ連盟では石油などに変わる全く新しいエネルギーを作ろうとしている。
ここでも科学技術の発達によって簡単にエネルギー生成が可能になっている。
このエネルギーは『ノヴァ』と呼ばれている。
今までと違い、どうやっても有害物質が出ないというものであるが、問題なのが、作られたばかりで数が少ないこと、試作品の域を出ないことにある。
カイロではそれの実用化を急ぐため、中心的に研究が行われている。
「さて、もうすぐだな」
「何がですか?」
黒人の男は聞き返す。
「あぁ。どうやらワシントン連盟の方で新種が見つかったようでな。それの大陸伝達だ」
「そうですか、分かりました。こちらのメンバーにも回しておきます」
「すまんな、連絡していなかった」
「いえ、それでは」
そう言うと画面は消えた。
アモンはタバコを出すと、火をつけ、一人満足そうにそれを吸った。
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