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早く大人になりたかった。一分でも一秒でも早く。
「なあに~また牛乳?それ以上おっぱいおっきくしてどおすんの」
腰に手を当てて、飲んでいた牛乳パックを唇から離すとちゃぽんと1リットル入りのパックの中で飲みきらなかった牛乳がゆれる。
「いいでしょ何飲んでも。カルシウムは大事なの」
「どこが~玲奈おこじゃん」
誰が怒らせてんの。牛乳はあたしの精神安定剤だ。早く大人になりたくて飲み始めた8才の頃からそれは変わらない。
「由奈が怒らせてるんだよ」
「勝手に玲奈がおこなだけじゃん」
姉の由奈は、すぐあたしをからかう。由奈からしたら、あたしが変わっていると言うのだけれど、そんなわけない。
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