第1話

現在

「でもさあ、玲奈あんたは何になりたくておっぱいおっきくしてんの」

カンペキからかってるってわかってる。

パパに似た由奈はすらっと身長もあって、体のバランスがいい。身長を伸ばしたくて飲んでいる牛乳が、みんな胸に回っているあたしとは違う。

「わかってるくせに!!　由奈のばか」

たあんと牛乳パックをテーブルに置くと、たぽんと揺れてこぼれた牛乳が手にかかる。

「なにやってんの」

笑いなからティッシュを差し出すのを、奪うように引っ張り出して拭く。

なんか、なにやっても上手くいかない。

なにをやっても、そつなくこなす由奈みたいになれない。それがあたしのコンプレックスだ。

みんな、姉妹だからってあたしと由奈を比べすぎる。