第六章 本当に貴女は何なの? <前半>

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黒猫の力で無理矢理移動した一同。 凄い形相で震える黒猫に目を奪われた。 黒猫「だから嫌だったんだ!! ダキしゃんの馬鹿ぁぁぁ!!」 ダキシ「奴らの目的が判らない以上下手に動けんやろ!? 俺だって嫌だったわ!! 」 柚梨「えっと…何だったんですか、あの人…」 初めに見た時と違い、突然豹変したムエドを思い出して柚梨は思わず尋ねた。 シン「ククク…あの人は世間では残虐な海賊で有名なんだけど、アキとダキシさんに対しては何故かドMなんだよね…ククク…」 ダキシ「シン!! 笑い事や無いわ!!」 シン「済みません…ククク。でもあのまま普通に話してれば良いのに、彼の判り易い挑発に乗っちゃったダキシさんを思い出したら…ククク。それにアキも更に彼を喜ばしちゃうし…ククク」 黒猫「他人事だと思って!!」 柚梨の問に答えるシンは、口では謝罪の言葉を述べるも顔は笑いを堪える事もせずに笑っていた。 シン「見てる分には面白いよ?俺や皆には被害無いから。ああなった彼はアキとダキシさんしか目に入らなくなるからね…ククク」 ルカ「確かに普段見れないアキさんの怯えようは見てて面白かったです」 アイフリード「ダッちゃんも面白かったわぁ♪」 ダキシ「鬼か、お前らは!!」 黒猫「酷いよぉ(泣)」 余りの言い分に、黒猫とダキシは半分泣きながら訴えた。 アイフリード「でも…結局彼らの目的判らなかったよね」 シン「ククク…無駄な努力でしたね…ククク」 ダキシ・黒猫「「シン!!」」 アイフリードの尤もな発言に、シンは又も笑いながら答えると黒猫とダキシは凄い形相で声を揃えた。 黒猫「シン酷いよぉ…」 シン「御免御免。でも、本当に彼らの目的は何なんだろう…」 黒猫「……げっ…」 ルカ「どうしたんですか?」 シンに謝りながら頭を撫でられていた黒猫が突然嫌そうな顔で声を上げると、ルカは不思議そうに声を掛けた。 黒猫「うげぇ…彼奴アタシらと目的地同じかも…」 ダキシ「それ本当かよ!?」 黒猫「鳥達が彼奴ら夢渡りの民の隠れ里を探してるって教えてくれた…」 アイフリード「夢渡りの民の隠れ里??」 黒猫「うん…其処に行こうと思ってるんだけど…」 柚梨「また彼らに遭遇するの!?」 黒猫「それは嫌だから、とっとと移動するよ!!」 そう言うと又も口早に呪文を唱えると、黒猫は夢渡りの民の隠れ里を目指して移動を開始した。
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