第七章 本当に貴女は何なの…!? <後半>

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黒猫「うん♪アタシだけしか存在しない夢の中に、柚梨が迷い込んできたの♪」 柚梨「御免。前にも言ったけど覚えてない…」 黒猫「そりゃ小さかったからねぇ♪だけどね、柚梨はアタシの事を怖れなかった♪アタシを抱き締めて友達だって言ってくれたの♪」 黒猫は柚梨を見詰めながら、思い出す様に笑顔で告げた。 黒猫「それから毎日が楽しかったなぁ♪夢の中で柚梨と遊ぶ事だけがアタシの唯一の楽しみだったの♪ …だけど…長くは続かなかった…」 楽しげに話していた黒猫の表情が突然悲しい影を落とした。 アイフリード「どうして…??」 ダキシ「なぁ…アイさんは夢での出来事を現実のモノと思える?」 アイフリード「ううん。夢は夢って考えるし…その前に夢の内容は覚えてないなぁ…」 ダキシ「多分柚梨ちゃんも同じだったんだよ。普通は夢での出来事って言うのは自分の想像からなると考えるからね。小さい頃は純粋に夢での出来事を現実のモノと考える。だけど大人になると夢は夢、現実は現実と思う様になるものだ。 そう言う事だろ?」 黒猫「うん、ダキしゃんの言う通り。次第に柚梨はアタシの事を忘れていった…」 柚梨「アキ…」 ダキシの説明に同意する様に黒猫は言った。 黒猫「アタシは夢渡りの民だから、自分の意思で人の夢を行き来出来る。だから現実のモノとして思える。だけどね?それは人からしたらあくまで夢なんだよ。現実じゃない。だからきっと柚梨は忘れたんだと思う…」 ルカ「アキさんは自分の意思で存在しても柚梨さんからしたらそれはあくまで夢…。悲しいですね」 黒猫「悲しい…確かにそうだね。悲しかった。でも…それでもアタシは柚梨の夢に遊びに行ったけどね♪柚梨の成長を見るだけでもアタシは幸せだったから♪」 悲しい表情を見せていた黒猫だったが、不意に笑みを浮かべ楽しげに話し出した。 黒猫「でも、やっぱり又昔みたいに一緒に遊びたくなってさぁ♪世界に飛び出しちゃった♪」 戯ける様に舌を出してそう告げる黒猫にその場に居る一同は何と言って良いのか言葉に悩んだ。
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