陽気なその者――

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……意外と食い下がるのね。このバイクの前オーナーの話をしても、面白くは無いだろうに。それに話すつもりも――って、時雨? 薊? ははは、何それ? 何かの名称かな――『狂座』……だと? ちょ、ちょっと待て。意味が分からないんだが。 ……何? 本当は俺の話を聞きに来ただと。 アンタ、ジャーナリストか何か? 狂座はまだしも、それを知っているとなると、裏の人間……にも見えねぇな。 まさか、仇か何か、それともあの組織の残党――って、ただ話を聞きたいだけだと? どこでこの事を知ったか知らんが、また目的も読めないけど、少なくともアンタからは敵意も悪意も感じられないんだよな。 まあ……いいか。ある程度、俺の事を知っているみたいだし、惚けても仕方ないな。 ここじゃなんだ、応接間の方に行こうか。俺にとってもアンタにとっても、その方が都合良いだろ? ――それにしても、アンタも物好きってか、怖いもの知らずだな。裏の話を聞いた所で、良い事なんて一つも無いぞ? むしろ後悔するかも知れないが。 ……どうやら、興味本位ってだけじゃなさそうだな。 分かった。そこまで決意が固いなら、俺も止めはしない。 だが、これは此処だけの秘密と胸に仕舞えるな? それは約束だぞ。アンタの為にもな……。
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