23人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
……意外と食い下がるのね。このバイクの前オーナーの話をしても、面白くは無いだろうに。それに話すつもりも――って、時雨? 薊?
ははは、何それ? 何かの名称かな――『狂座』……だと?
ちょ、ちょっと待て。意味が分からないんだが。
……何? 本当は俺の話を聞きに来ただと。
アンタ、ジャーナリストか何か? 狂座はまだしも、それを知っているとなると、裏の人間……にも見えねぇな。
まさか、仇か何か、それともあの組織の残党――って、ただ話を聞きたいだけだと?
どこでこの事を知ったか知らんが、また目的も読めないけど、少なくともアンタからは敵意も悪意も感じられないんだよな。
まあ……いいか。ある程度、俺の事を知っているみたいだし、惚けても仕方ないな。
ここじゃなんだ、応接間の方に行こうか。俺にとってもアンタにとっても、その方が都合良いだろ?
――それにしても、アンタも物好きってか、怖いもの知らずだな。裏の話を聞いた所で、良い事なんて一つも無いぞ? むしろ後悔するかも知れないが。
……どうやら、興味本位ってだけじゃなさそうだな。
分かった。そこまで決意が固いなら、俺も止めはしない。
だが、これは此処だけの秘密と胸に仕舞えるな? それは約束だぞ。アンタの為にもな……。
最初のコメントを投稿しよう!