プロローグ

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俺がこの世界グリフォールに来たのは高校を卒業した翌日の事である。 卒業記念で同級生達と某遊園地で遊びまくり、家に帰ってきた時にはクタクタでシャワーを軽く浴びベットへダイブし、ブラックアウトした。 そして次の日、俺は全く見覚えのない森の中で目を覚ましたのである。 確かに俺は部屋のベッドに潜って寝ていた。いつ、どうやってここへ運ばれたのか?ここは何処なのか? という事を冷静に考えようとした。したが、ゆっくりと考えられなかった。 何故か?答えは簡単だ。 状況が読み込めずに髪の毛をガシガシと掻こうと頭に手を伸ばした時、ある筈の感触がなかったからだ。 例えるなら、何もない穏やかな風が流れる大草原。または荒れ果てた草木の生えない更地、ペッタンペッタンつるペッタン。 俺は青ざめながら頭に触れる。何度も触れる。 無い、ある筈の感触が、ふさっとした感触が無いのだ。 そう、俺は、髪の毛が、毛根が死滅していた。 唯でさえ冷静に物事を考えられる状態ではなかったのに、僅か18歳の俺が毛根を失うという事実を打ち付けられて黙っていられるだろうか?否、誰だってできないだろう。 心に追撃のグランドヴァ○パー、精神的ダメージは更に加速した。
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