不器用な大人の恋は実るのか

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「おー……」 と振り向いた坂崎は、その目に私を認めると、嬉しくて堪らないという風に目を細める。 「初めて見た、紺野のすっぴん」 「……あんまりまじまじと見ないでくれる?」 「どうして? 化粧しててもしてなくても、紺野そんなに変わんないじゃん。 それに……」 何? と私は首を傾げた。 「今は俺だけでしょ? 紺野のすっぴんを見られる男って」 その言葉にまたしてもかあっと顔が赤くなる。 「ななな何言ってんのっ!?」 坂崎ってこんな奴だったっけ? 放つ言葉は一々甘さを含んでいて、このままじゃ私、心臓がもたない。 「俺もシャワー浴びてくるから、適当に座ってて。 はい、これ」 そう言って冷たいミネラルウォーターを渡された。 私はそのまま、リヒングのカーペットにぺたんと座り、坂崎を待つことにした。
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