945人が本棚に入れています
本棚に追加
今日一日で色んなことがありすぎて頭がついていかない。
私はぐるりと坂崎の部屋を見回した。
よく言えば、シンプル。
男の人の部屋ってこんなものなのかな?
ホント物が少ない。
目につくのは、ぎゅうぎゅうに本が詰まった本棚と、リビングに鎮座する碁盤、……そして、部屋の隅っこにある大事にカバーが掛けられた天体望遠鏡。
坂崎、星も好きなのかな?
本棚には天文学や宇宙について書かれたとおぼしき本も数冊ある。
こんなに付き合いは長いのに、私はたぶん坂崎のことをほとんど知らない。
でも、そんなこと誰かを好きになるのに関係ないんだな。
そう一人でぼんやり考えていた。すると、
「紺野、お待たせ」
愛しい声が、私を思索の海から呼び戻す。
最初のコメントを投稿しよう!