不器用な大人の恋は実るのか

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さっきとは違う、身も心も蕩けるようなキスに何も考えられなくなる。 あれ、だけど私何か大事なこと忘れてない? 頭の片隅に浮かびかけた何かを思い出そうとするけど、坂崎は手強くて私はまた簡単に理性を手放してしまう。 その時、坂崎の手がスルリと私のTシャツ中に入り込んだ。 「ス、ストップ!!」 私は、咄嗟に坂崎の胸を押して、魔の手から逃れた。 「……ごめん」 「さ、坂崎、何もしないって言ったじゃない」 さすがに、今日の今日でここより先に進む勇気はない。 恥ずかしさに俯く私に、坂崎は驚くようなことを口走った。 「紺野、ひょっとして流されただけ? ……俺、勘違いしてる?」
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