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みっともないのは私の方だってわかってる。
でも、言葉は止まらないし、ついでに涙で顔はぐちゃぐちゃだ。
こんなふうに自分が取り乱すなんて。
ばつが悪くて、私は坂崎の顔なんて見られそうになかった。
「そんなことわざわざ言いに来たの? ……バカじゃな―――」
「……紺野、それヤキモチ?」
すぐ側で坂崎の声が聞こえて、項垂れていた頭をあげると、さっきまでテーブルを挟んで向こう側にいたはずの坂崎が、目の前にいた。
「さっ、坂崎っ近いっ!!」
逃げようとすると両の手首をぎゅっと握られた。
坂崎の力は強くて、私には振り払えない。
「それ、ヤキモチだって思っていいの?」
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