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「お待たせしましたー。
デザートのシークワーサーシャーベットになります!」
バッと勢いよく個室のふすまを開けたのは、先程俺を出迎えた威勢のいい男性店員だった。
俺たちを見て、店員の顔が固まっている。
「……紺野、頼んだの?」
「たっ、頼んでないっ!」
そう言うと同時に、紺野は俺の手を振り払った。
―――ちえっ、もう一押しだったのに。
「誰も頼んでないようですが」
邪魔されたことへの怒りを視線に込めて、その店員にそう告げると、
「申し訳ございませんっ! ……あのっ、こちらはオーナーからのサービスでしてっ。
オーダーから30分後に持っていくように言われていたものですから……」
悟かよ。
「……あいつ、ムカつく!」
「坂崎っ!」
あ……、つい心の声が外まで漏れていた。
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