4431人が本棚に入れています
本棚に追加
「亜矢……」
社長の甘い声。
わたしの名前を呼ぶと、抱きしめる社長の腕の力が強くなる。
まるで逃がさないと言っているみたい。
ああ、そうだ。
社長はわたしがマリッジブルーだと思っているんだった。
わたしは社長から逃げたりしないのに……。
誤解を解かなくちゃ。
だけど……。
社長の腕の中で溺れてしまいそう。
息が出来なくて苦しくなる。
「ッ、……苦しい」
そう言うと、ハッとしたように社長がわたしから離れる。
顔を上げて社長を見詰めると、その瞳が不安げに揺れていた。
最初のコメントを投稿しよう!