第5章

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    社長の腕の中で癒されて。 いつの間にか、眠っていたみたい。 気がつくと、社長の腕枕でベッドの中で横になっていた。 今何時だろう? 社長を起こさないように、そっとベッドから抜け出して、リビングに向かう。 テーブルに置いたままの携帯を確認すると、時間は深夜二時を過ぎていた。 今夜は起こさずに、このまま泊まってもらおう。 そう決めて、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出した。 グラスに注ぎ、一気に飲み干すと、ぼんやりしていた頭がクリアになる。 フーッと息を吐いて、社長と話したことを思い返す。 わたしの後任は、営業部の香坂くんに決めたのだと言った。 驚いて声も出せないわたしに、社長は「あいつが適任だと思う」と自信たっぷりに笑った。
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