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香坂君は、入社二年目の営業マン。
新卒だから、まだ24歳だけど……。
営業の中で一番仕事が早い。
ちょっと愛想がないけれど、頭の回転が速くてソツがなくて。
社長との相性は……。
うん。悪くないかも。
それに、同姓というのは少し安心かな。
もしかして、その辺も気を遣ってくれたの?
……社長。
引継ぎの準備だけは進めておかなくちゃね。
グラスをシンクに置いて、社長が眠っているベッドにそっと戻った。
「……ん、亜矢?」
社長が薄っすらと瞼を開ける。
「まだ、寝てて?」
「……今、何時?」
掠れた声で社長が言う。
帰って欲しくなくて、何も答えずに社長に身体を寄せた。
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