第5章

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   スケジュールを確認しながら、香坂くんを交えて社長と打ち合わせを始める。 「今週末の接待には、香坂くんも同行してください」 「わかりました」 「引継ぎ書はもう少しで出来上がりますので、来週からはこちらの引継ぎがメインになります。営業の引継ぎの進捗状況はどうですか?」 「ほぼ完了しました。営業は挨拶だけで十分なので」 「そうですか。では、何か質問はありますか?」 「いえ、特には……」 香坂くんの言葉を聞いて手帳を閉じると、何故だか社長が声を出して笑った。 「え?」 「いや、なんでもない」 「……他に何も無ければ、僕は営業に出てきます」 「ああ。そうしてくれ」 「失礼します」 香坂くんが席を立つと社長と二人きりになる。
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