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気を遣って話し掛けてくれてるのかな?
確かに香坂くんと二人きりだと、何を話題にしていいのか、ちょっと困ってしまう。
よくよく考えたら、仕事以外の会話を今日まで一度もしたことがなかったのだ。
隣の席の香坂くんをチラリと盗み見る。
すっきりとした顔立ちの香坂くん。
よく見ると美形なんだなと、今更気付いたりして。
「僕の顔に何かついてます?」
「……香坂くんって、睫毛長いよね」
「……は?」
「ごめん。なんでもない」
香坂くんは、困ると口がへの字になるみたいだ。
他愛のないことをポツリポツリと話しているうちに、一人また一人と現れて。
七時少し前には、女性社員も含め、全員が席についていた。
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