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「西森さん、ちょっと飲むペースが早くないですか?」
「え?……そ、そう?」
香坂くんに話し掛けられて、持ち上げたワイングラスをテーブルに戻す。
わたしのことなんて気にしてないと思っていたのに、しっかりチェックされていたようだ。
「主役だから、好きなだけ飲んで頂いて構いませんけど。……その、大丈夫ですか?」
「……うん。大丈夫……」
目を伏せて、小さく溜め息を吐く。
今日が最後なんだから、しっかりしなきゃ。
いつかみたいに酔っ払って迷惑を掛けたら、また何を言われるかわかったもんじゃない。
社長と真央ちゃんの様子は気になるけど、別に心配することじゃない。
そう言い聞かせて、顔を上げる。
すると、綺麗に盛り付けされた小皿がわたしの目の前に置かれていた。
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