4432人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっと食べ過ぎたかも……」
これもそれも、香坂くんのせいだ。
料理がテーブルに届く度、小皿に取り分けてくれる香坂くん。
これも一つの才能なのか、毎回とても美しく小皿に盛り付けてくれて。
その結果、つい食べ過ぎてしまって、わたしのお腹はもう限界に近かった。
「デザートはどうします?」
香坂くんは、クスクスと笑いながら、わたしを横目で見る。
その目、ちょっとバカにしてるでしょ?
唇を尖らせて「デザートは別腹なの」と言うと、口元を押さえて笑い出した。
「……笑いすぎじゃない?」
「すみません。西森さんって、年上なのに意外と可愛いなと思って……アハハ」
「香坂くん!」
ギロリと睨むと、
「この辺で止めておかないと、あとで社長に叱られそうです」と目配せをする。
「ん?」
と思いつつ、社長の方に視線を走らせると、ムッとした表情の社長と目が合った。
最初のコメントを投稿しよう!