第5章

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     キョロキョロしながらお手洗いに向かった。 想像もしていなかったのだ。 社長と真央ちゃんが抱き合っているなんて……。 通路の先に社長の背中が見えた。 社長の背中に回された細い腕。 あれは、真央ちゃん? ドクンと心臓が波打った。 血液が逆流するような感覚に気持ちが悪くなる。 ……どういうこと? 今何が起きているの? 二人の話し声が聞こえる。 けれど、声が聞こえるだけで、言葉までははっきり聞き取れない。 「……っ」 ……イヤ。見たくない。 二人が何を話しているのか気になるけれど……。 もう、無理だ。この場にいられない。
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