第5章

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   二人に気付かれないように、その場を離れようと思ったその瞬間。 社長の肩越しに真央ちゃんと目が合った。 そんな、気がした……。 「西森さん、大丈夫ですか?顔色が悪いですよ?」 「……大丈夫」 わたしを気遣う香坂くんに、作り笑いで答える。 お願い、話しかけないで。 ちゃんと言葉を返す自信がない。 ……なんでもないことだよね。 二人で何か話し込んでいただけだよね? 真央ちゃんが気分悪くなって社長は仕方なく介抱していただけで。 こんなにショックを受けるなんて。 わたし、どうかしてる。
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