第1章

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       「西森さん、急で悪いけど、明日、大松カンパニーの藍田常務との会食に同席してくれないかな? 」 「はい。わかりました。会食はいつもの『稲垣』ですか?」 と答えてみたものの、今から、予約なんてとれるのだろうかと不安になる。 週末はいつも満席、まして、接待となると個室が必至なのに。 そう思っていると、「個室は確保済み」と伊原がしたり顔で言う。 「そう、ですか」 思わず苦笑いになってしまう。 アポイントといい、予約といい、この人は本当に仕事が早い。 秘書なんて必要ないじゃないの。
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